週刊ビジネス誌の投資特集はバブルの予兆なのか

2_株式投資戦略研究

週刊ビジネス誌で最近、株式特集・投資特集をよく目にする機会が増えてきたように感じます。

名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』でも
新手の投資雑誌がもてはやされると、投機バブルが起きている予兆であると述べられています。

「靴磨きの株式投資」と呼ばれる株式投資に馴染みのない者(しかも資金力が高くない)が
株式投資を始めたタイミングでこ新規投資家が表れなくなり株式市場が天井を迎えてると言われます。

しかし、日本では投資雑誌がもてはやされるということは聞いたことがないので、
代わりに、週刊ビジネス誌の投資特集が頻発すればバブルの予兆である、と
置き換えられないか検証してみます。

検証内容

以下の週刊ビジネス誌と株式指標(TOPIX)を比較する。

  期間:2016年1月~2021年5月現在

  雑誌:『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』

  記事:上記雑誌の特集①(メイン)が「株式投資」「投資信託」「資産運用」を煽る内容。
     但し以下の特集は対象外とする。
     ・投資対象を絞っている「不動産投資」「仮想通貨投資」
     ・守りに視点が寄っている「定年後のマネー」「相続」
     ・投資家目線でない「決算特集」「経済予測」「為替(円高・円安)」

検証開始

まずはTOPIXチャートを確認。

では、ダイヤモンドが投資特集したタイミングを見てみます。

昔から定期的に投資特集をしているし、検証にならないじゃないか…

次に、東洋経済が株式特集したタイミングを見てみます。

更に多い! ダイヤモンド以上に多い!

しかも2019年以降のハイペースぶりは半端ない。

こんな頻繁に特集していたかなぁ?

検証内容変更

検証にならないので、ビジネス誌の特集の内容を検証することにします。

1年ずつ雑誌の内容を検討していきます。

2016年 方向性のないボックス相場

方向性のない株価を意識してか、両誌とも中立的なスタンス。
1月16日は東洋経済とダイヤモンドで特集が似ています。

判定 両誌ドロー

2017年 一年を通して株価上昇

前半は両誌とも中立的なスタンスだったが、株価が上昇した後半はスタンスが割れます。
東洋経済はまだ間に合うと強気、ダイヤモンドは勝ち抜けと弱気になっています。

判定 ダイヤモンドの勝ち

2018年 一年を通して株価下落

強気だった東洋経済は荒波だと煽り、ダイヤモンドは勝ち抜けしたのか特集ありません。

判定 両誌ドロー

2019年 年前半はボックス相場、年後半に株価上昇

ボックス相場の前半に東洋経済はついに弱気になりましたが、
ダイヤモンドは3回にわたり投資チャンスだと煽っています。

判定 ダイヤモンドの勝ち

2020年 年前半にコロナで大下落、年後半は反動で大上昇

ダイヤモンドの投資特集が2か月に一回へとペースが増えます。強気スタンス。
東洋経済はペースは変わりませんが、やや強気です。

というか、2020年は特集が多すぎる。

判定 ダイヤモンドの勝ち

2021年 さぁ、どうなる…

ダイヤモンドの投資特集は以前ハイペースです。

似たような内容ばかりじゃないか

2誌合わせれば2か月で4回も特集が組まれていますね。

内容も低俗だし、誰をターゲットにしているんですかねぇ…
真に受けて投資を始めると後悔しそう

検証結果

私が得た教訓です。

 ・言っていることがコロコロ変わるから当てにしてはいけない。
  (もともと当てにするつもりはないが。)

 ・株価が高くても低くても特集は組まれる。

 ・毎年似たような特集が繰り返される。

内容は糞ですが、読み物としては面白いので頭からっぽで読むには良いんじゃないでしょうか。
わざわざ買う価値があるかないかでいうと、ないですが…
この雑誌を買う金を投資に回した方が良いですね。

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